2009年12月8日火曜日

Syntace F99 軽量アルミ製ステム


先月退役させた「Syntace F99」 は、90mm(のチタンボルト仕様)で実測90グラム。構造上最低限に近い形状の鋳造(と思われる)ボディの内側とクランプ部をギリギリまで切削加工する製法で軽量化を低コストで実現して居ます。残念なのはオール削り出しで丁寧に作られたものと比べると表面の仕上がりが汚ないこと。また、ハンドル締め付け用バンドの受け側にはボルト穴が貫通して居て、不揃いのギザギザがとても無様です。より軽量な「Ax-lightness Zeus」と比べても若干剛性が劣るかも。

この商品に印刷されて居る規定トルクは6Nmですが、取り付けるのが軽量なカーボン製ハンドルの場合、そこまで耐えるものはそうないはずなのでハンドル側の指定トルクに合わせることになるはずです。「Schmolke TLO ハンドルバー」と合わせるならハンドル側の要求で3.5Nmまでに下がります。

2005年に一部ロットでリコールを出して居ますが事後の対応はきちんとしたものでした。
このケースもそうだったとは断言出来ませんがこの手のリコールには必ずしもメーカー側だけに非があるとは思えないものも出て来ました。昨今のパーツはミドルレンジのものでも相当に軽量ですし、部品のカーボン化も進んで居て局所的な過負荷にはかなり脆くなって居るのに、ショップやユーザーが従来のような勘に頼った取り付けをして居るせいで起きた破損は結構多いんじゃないかと思います。一度トルクレンチを手にすれば規定トルクが想像以上に弱い力だってことに驚かされるはず。

他方、現在、カタログ上の数値で最も軽いと思われるアルミ製ステムは「ExtraLite RoadStem UL3(写真下)」、90mmで78グラムです。製法はほぼ「F99」と同じまま、随所にアルミの分量をさらに減らす工夫がされて居ます。ボディの表面も一部切削加工されて居る様子。ただ、写真を見る限り「F99」から12グラム分のアルミを削ぎ落とせて居るようにはとても見えないので「ズル」の可能性は高いです。海外のフォーラムで紹介されて居たものの実測値は100mmのものでカタログ値より6グラム重かったようなので、90mmだと84グラム程度と言うのが本当の所なんじゃないかと思います。


かつて軽量ステムを出して居た「ROTOR」、「ITM」からは現在はさほど軽くない製品しか出して居らず、剛性アップの方に気持ちが向いた様子。プロのレースに6.8キログラムの最低重量規制がある以上、敢えて重要機能部品で無理するメリットはないですからね。

1 件のコメント:

  1. 初めまして。いつも楽しく読んでます。
    ExtraLite Roadstem UL3 90mm使ってますけど、実測で私のは79gです。
    御参考までに。

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