2009年12月9日水曜日

カーボンパーツ取り付けのトルク管理


局所的な過負荷に対して脆弱なカーボンパーツが多用された自転車の広範な整備を自分でするのであれば、トルクレンチ(ドライバー)は今や必携の工具だと思います。オーバートルクで部品を壊したり、それによって怪我をすることのないよう勘に頼った組み付けはするべきではないでしょう。

計測器は一般に精度が高さと測定範囲の広さが掛け合わさるともの凄い勢いで高額になって行くため、何らかの用途に合わせて適当な所で両者の折り合いを付けて商品化されて居るものが殆どです。また、上限、下限付近の精度はあまりあてにならないので、下の方を使う時はそれ用により精度の高い狭い範囲の物を、上の方が足りな目の時は、より精度の低い広範囲の物でカバーしたりして工具箱を狭くすることになります。

我が家のトルクレンチは元来「自転車用」ではないのですがトルク測定範囲の下限は2Nmから、上限も十分あるものの、1Nm刻みの目盛り幅が2mm足らずでcNm単位の作業には不向きです。このトルクレンチを使って下の方、例えば「Schmolke TLO ハンドルバー 」を「Ax-lightness Zeus ステム」に3.0Nmで締めるには機械の誤差を考えるとちょっと怖いですし、「Schmolke のM5カーボンボルト」を1.5Nmで締める等と言う際にはそもそも下限が足りません。そこで下の方専だけ高精度のトルクドライバー(写真上、逆ネジ非対応)で補填して居ます。

そんな中、先月新発売された「KTC」のサイクルツールシリーズにラインナップされて居る、「デジラチェ 小トルクタイプ(GWEC3-030A)」はかなり良さそうです。
サイクルツールシリーズ」と銘打って居るだけあってBB等一部の箇所を除けば自転車整備で使用したいほぼ全域(2Nm〜30Nm)をカバーして居ます。

精度については表示単位こそ0.02Nmと細かいものの測定誤差が大き目(下の方は±12%)ですから小数点以下2桁目は全くの飾りみたいなものでしょうが、それでも自転車用としては十分な性能で、これ1本あれば殆どの作業に困ることはなさそうです。新たに導入するならこれはお薦め。

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