2009年12月18日金曜日

ペダル内蔵型パワーメーター(続報)

発売されれば間違いなく「世界最軽量」のパワーメーターとなるはずの「MetriGear Vector」ですが、当初予定されて居た来年第一四半期の発売は絶望的とのアナウンスが出されました。

現状でも、気温、ケイデンス、出力、路面状況、ペダリングの癖等々の違いで個体間で計測値にバラツキが生じるためその対策に追われて居るとのこと。今後も同様の障害が発生するであろうことを考えると「楽観的に見ても第二四半期後半に出せれば幸い」だそう。量産時の歩留まりや管理ソフトの利便性と言った問題ではなくて、安定して正確な計測値を出すと言う根幹部分の問題でここ1ヶ月の間に3ヶ月延びるって言うあたり、これはこの先もっともっと延びそうな予感。発売前に資金ショートで倒産なんてことにならないように願うばかり。

機材スポーツって何かを新しくして自分を奮い立たせるなんて事も結構あったりすると思うのですが、「来シーズンに入ったらパワーメーター導入して本気出す!」って人には間に合わないこと必至です。

2009年12月16日水曜日

カンパのブレーキレバーが遠い場合の対策


スペシャライズド」の「SLIM SIM」を始めとしてシマノのSTI用にはレバーを近づけるための部品が方々から発売されて居ますが、カンパニョーロのエルゴレバーには長らく相当する製品がありませんでした。自分には「Schmolke TLO」の下ハンを持った時のレバーが若干遠くて、でも、ハンドルは(軽量化のためにも)換え難かったものですからレバーを加工してリーチを縮めることにしました。

エルゴレバーにはタイヤの脱着用にピンをスライドさせることで素早くブレーキシューの間隔を変えられる仕掛けがあります。通常時、レバーの内側でピンを受けてレバー位置をきめて居る凹みよりも解放時にピンを受ける外側の凹みの方が深いので、ピンを外側にスライドさせるとレバーが余計に開く(下の写真の状態)と言う仕組みです。リーチを短くするには通常時にピンの収まる内側の凹みを加工します。

要は内側の受けを浅くして奥まで行かないようにすれば良いのですが、テープを貼るとかパテを乗せるとかの方式は使って居るうちに取れたりして却って面倒そうなのでいただけません。凹みの奥に小さな穴を開けて、そこに気持ち大きい径(M1.6)の芋ネジを挿れてみました。写真中央の頭のない小さなネジがそれです。これだとヘキサゴンレンチを使ってネジの突き出し量を変えることで自在にリーチを変えられます。ベストな位置が決まったらワイヤーの調整をしておしまいです。

DIYの苦手な向きには今年になって国内の「GROWTAC」と言う所からピン自体をそっくり換装する事でリーチを5mm近付けられると言う製品が発売されて、これは朗報でしょう。考え方は同じですが、こちらはピンの頭を凹みの径よりも大きくして途中でピンを留める仕組みです。

ただ、どちらの方法でも折角面一にデザインされたブラケットとレバーに写真のような段差が出来てしまうのが残念な所。


2009年12月15日火曜日

サイクルモード(その3)チタン製ボトルケージ


カーボンパーツ全盛の中、かつては軽量チタン製パーツのブランドとして知られて居た「TITEC」からオールチタン製ボトルケージが出展されて居ました。スマートかつ丈夫そうなデザインで最新のカーボンフレームに取り付けても違和感はなさそうですが、素材の硬さの割に左右の腕が短くなるのでボトルの脱着はかなりキツい予感がします。実測27グラム(カタログ値25グラム)とか。

これ、2007年のサイクルモードでOGK(技研の方)から出展されたもの、また、「Token」のチタニウムシリーズ「Atik」として売られて居るものとも同じものですが、実は海外の通販サイトで既に色々な名前で極めて安価に売られて居る台湾のノンブランド製品。海外のユーザーフォーラムではネジ取り付け部のプレートが容易に破断するトラブルも報告されて居て、溶接時の酸素の遮断を怠って居るに違いありません。

チタン製品の価値や信頼性はひとえに作業環境(設備)と溶接技術にかかって居るので「TITEC」ブランドに期待して購入すると痛い目を見るかも。

オールチタン製ボトルケージと言えば、元祖「KING」が有名です。

うちにはこれが新旧2個あって、両者の購入時期は15年も離れて居ます。それでも先に入手したものが取り付け用ネジ穴の間隔が狭い(規格が変わったのかな?)こと以外に現行品との違いはなくて、今でも古びれることもなく、あたかも同時期に買ったもののように使えて居ます。最新パーツも良いけどこう言う製品も素敵です。20年近く前の軽量パーツなので今となってはやや重の30グラム程、デザイン的にも今時のカーボンフレームとはミスマッチかも。

2009年12月13日日曜日

サイクルモード(その2)新型ヘルメット各種

幕張メッセにて明日まで開催されて居る「サイクルモード」。今年は自転車本体には特に惹かれるものはなかったのですがヘルメットは気になるものがいくつも展示されて居ました。

「OGK エアロ・SN / エアロ・TP


受注生産のトラック/TT用ヘルメット。カーボン製のシェルは自重でたわむ程、また光が透ける程に薄くて、内部に帽体が入って居るにも関わらずメーカーサイトによるとどちらも「公道使用不可」です。 帽体と一体化させて居ないため強度が足りないのかも知れません。トラック用の「エアロ・SN」はとても美しい形状をして居ます。シェルが大き過ぎかと思ったけれど被ってみると意外と気になりませんでした。 TT用の「エアロ・TP」は他社製のものと比べるとかなりずんぐりとした印象で今ひとつ。帽体が1サイズなので注文生産とは言えテーラー・メイド的な要素は特にないようです。

「 OGK REDIMOS」(未撮影:リンクはサイクリングタイム。)
  恐らくは「OGKカブト」の次期フラッグシップモデルです。全体の印象は「MOSTRO」と似て、相変わらず捉えどころのない野暮ったいフォルムですがディティールの工夫で若干垢抜けた印象。特に後方からの見た目は改善されて居ると思います。 記憶が確かなら樹脂パネルをカーボンのリブで補強した、「GIRO Atmos」を真似たシェルだったはず。 「MOSTRO」以上の強度と通気性を同時に獲得して居て、それと引き換えに若干重量が増して居ます。

「LIMAR CARBON PRO104


従来型の「ULTRALIGHT PRO 104」にカーボンパーツを追加して補強したモデルで若干の重量増です。 シンプルで美しい形状に表面仕上げのされて居ない無骨なカーボンが剥き出しになって居るところがミスマッチで残念ですがグリーンやブルーの単色モデルが選べるのは魅力かも。未だに「WORLD'S LIGHTEST HELMET」のデカールが貼られて居るのはご愛嬌です。

「GIRO Prolight

世界最軽量を謳う「Giro」の最新型です。サイクルモードでは白、黒の単色モデル(Mサイズのみ)が展示されて居ました。「Ionos」を発売した時の「安全確保には前縁部や前頭部のボリュームが必要」って言う主張は 何処へやら、帽体がかなり小さくて、キツくて被れないかと思ううちに頭が帽体の天辺に当たってしっくりと収まる感じ。 他社の超軽量モデルがカーボンリブを追加したりして「Atmos / Ionos」化して居る中、元祖のこちらは前頭部がリブを排した一体型シェルになって居ます。 単色モデルを写真で見ると前部の穴付近がやや寝呆けた印象に見えますが実際は上のようにシャープなディティールがあります。全体のフォルムは「GIRO」製品らしくとても奇麗です。

「GIRO Atmos

未だに生産されて居る息の長いモデルです。機能的な変更はなくて、カラーバリエーションだけ。 プロへの供給がなくなったせいかデザインの自由度が増したみたいで、今回はマット・ブラックとPOPカラーのコンビネーション。お洒落な印象です。

「GIRO Flume

子供用のかわいいデザイン。残念ながら子供用1サイズのみです。

2009年12月12日土曜日

サイクルモード(その1)パワークランク出展


昨日から幕張メッセにて開催されて居るサイクルモードのRGTエンタープライズブース(2-05)では「PowerCranks」が写真のような形で展示されて居ます。いきなりの乗車は危ないせいでしょうか流石に試乗車はありませんでしたが、どのようなものかの理解と、パワークランクの達人、ザックさんによる詳しいプレゼンテーションが得られると思います。

デモ機は軽量化のための肉抜きもロック機構もないタフなモデルでした。恐らくは旧型のようで削り出しの跡が目立ちましたが現行品の仕上げはもっとずっと滑らかで奇麗です。実物を見る機会はなかなかないと思いますので興味のある方は是非足を運んでみてください。

その他、こちらのブースには「Assos」のサイクリングウェアと「Ax-Lightness」の軽量カーボンパーツも展示されて居ます。

2009年12月9日水曜日

カーボンパーツ取り付けのトルク管理


局所的な過負荷に対して脆弱なカーボンパーツが多用された自転車の広範な整備を自分でするのであれば、トルクレンチ(ドライバー)は今や必携の工具だと思います。オーバートルクで部品を壊したり、それによって怪我をすることのないよう勘に頼った組み付けはするべきではないでしょう。

計測器は一般に精度が高さと測定範囲の広さが掛け合わさるともの凄い勢いで高額になって行くため、何らかの用途に合わせて適当な所で両者の折り合いを付けて商品化されて居るものが殆どです。また、上限、下限付近の精度はあまりあてにならないので、下の方を使う時はそれ用により精度の高い狭い範囲の物を、上の方が足りな目の時は、より精度の低い広範囲の物でカバーしたりして工具箱を狭くすることになります。

我が家のトルクレンチは元来「自転車用」ではないのですがトルク測定範囲の下限は2Nmから、上限も十分あるものの、1Nm刻みの目盛り幅が2mm足らずでcNm単位の作業には不向きです。このトルクレンチを使って下の方、例えば「Schmolke TLO ハンドルバー 」を「Ax-lightness Zeus ステム」に3.0Nmで締めるには機械の誤差を考えるとちょっと怖いですし、「Schmolke のM5カーボンボルト」を1.5Nmで締める等と言う際にはそもそも下限が足りません。そこで下の方専だけ高精度のトルクドライバー(写真上、逆ネジ非対応)で補填して居ます。

そんな中、先月新発売された「KTC」のサイクルツールシリーズにラインナップされて居る、「デジラチェ 小トルクタイプ(GWEC3-030A)」はかなり良さそうです。
サイクルツールシリーズ」と銘打って居るだけあってBB等一部の箇所を除けば自転車整備で使用したいほぼ全域(2Nm〜30Nm)をカバーして居ます。

精度については表示単位こそ0.02Nmと細かいものの測定誤差が大き目(下の方は±12%)ですから小数点以下2桁目は全くの飾りみたいなものでしょうが、それでも自転車用としては十分な性能で、これ1本あれば殆どの作業に困ることはなさそうです。新たに導入するならこれはお薦め。

2009年12月8日火曜日

Syntace F99 軽量アルミ製ステム


先月退役させた「Syntace F99」 は、90mm(のチタンボルト仕様)で実測90グラム。構造上最低限に近い形状の鋳造(と思われる)ボディの内側とクランプ部をギリギリまで切削加工する製法で軽量化を低コストで実現して居ます。残念なのはオール削り出しで丁寧に作られたものと比べると表面の仕上がりが汚ないこと。また、ハンドル締め付け用バンドの受け側にはボルト穴が貫通して居て、不揃いのギザギザがとても無様です。より軽量な「Ax-lightness Zeus」と比べても若干剛性が劣るかも。

この商品に印刷されて居る規定トルクは6Nmですが、取り付けるのが軽量なカーボン製ハンドルの場合、そこまで耐えるものはそうないはずなのでハンドル側の指定トルクに合わせることになるはずです。「Schmolke TLO ハンドルバー」と合わせるならハンドル側の要求で3.5Nmまでに下がります。

2005年に一部ロットでリコールを出して居ますが事後の対応はきちんとしたものでした。
このケースもそうだったとは断言出来ませんがこの手のリコールには必ずしもメーカー側だけに非があるとは思えないものも出て来ました。昨今のパーツはミドルレンジのものでも相当に軽量ですし、部品のカーボン化も進んで居て局所的な過負荷にはかなり脆くなって居るのに、ショップやユーザーが従来のような勘に頼った取り付けをして居るせいで起きた破損は結構多いんじゃないかと思います。一度トルクレンチを手にすれば規定トルクが想像以上に弱い力だってことに驚かされるはず。

他方、現在、カタログ上の数値で最も軽いと思われるアルミ製ステムは「ExtraLite RoadStem UL3(写真下)」、90mmで78グラムです。製法はほぼ「F99」と同じまま、随所にアルミの分量をさらに減らす工夫がされて居ます。ボディの表面も一部切削加工されて居る様子。ただ、写真を見る限り「F99」から12グラム分のアルミを削ぎ落とせて居るようにはとても見えないので「ズル」の可能性は高いです。海外のフォーラムで紹介されて居たものの実測値は100mmのものでカタログ値より6グラム重かったようなので、90mmだと84グラム程度と言うのが本当の所なんじゃないかと思います。


かつて軽量ステムを出して居た「ROTOR」、「ITM」からは現在はさほど軽くない製品しか出して居らず、剛性アップの方に気持ちが向いた様子。プロのレースに6.8キログラムの最低重量規制がある以上、敢えて重要機能部品で無理するメリットはないですからね。

2009年12月4日金曜日

世界最軽量(だった)ヘッドセットの話


最近、ロードレーサーのステムを「Ax-lightness Zeus」に換装したことでコラムの長さが足りなくなってスペアのフォークを下ろしたのですが、それだけの理由で元のフォークを捨てるのは勿体無いので手頃なヘッドセットを探して居ます。

組み立て当時、軽量パーツ業界で一番目立って居た「m2 racer」の世界最軽量ヘッドセットはプラスチック製の初代(39グラム)、アルミ製の二代目(37グラム、写真上)とも試しました。この2つは後にメーカーが全品回収することになって廃業の大きな要因となってしまった曰く付きの商品で、残念ながらどちらもまともに使えるレベルにはない、とても危険なものでした。ブレーキレバーを引いて前に力をかけるとフォークが後ろにスライドする程。(家にあったストックは「m2 racer」廃業の折にサドルやペダルと等価交換して貰ったので今は所有して居ません。)

これに懲りて現在は信頼のブランド「Chris King」を使って居るので性能には不満がないものの20年前の軽量パーツは今となっては流石に重た過ぎです。折角なら軽いものを選びたいってことで候補は下の2つ。

Cane Creek AER.TR」:上ワンのベアリングを省略、テフロンブッシュにして46グラム

KCNC Morion M3」:セラミックベアリング採用で44.5グラム

他にも竹やトラス構造のフレームを作って世間を賑わせて居る「BME」からは古くから超軽量なヘッドセット(セラミック:50グラム、ブッシュ式、43グラム)が出て居ますが、ハイトが高そうなので候補外です。

2009年12月2日水曜日

フリーペーパーに新城、別府両選手のインタビュー記事


「am/pm」でみつけたフリーペーパー「Spopre」76号は2009年自転車特集。新城、別府両選手のインタビューがそれぞれ1ページと、ジャパンカップレポート、サイクルモードの告知等、自転車関連記事が数ページにわたって掲載されて居ます。インタビュー記事については紙面の関係で特に目新しい所はないのですが、別府選手の「RadioShack」への移籍も決まってこのユニフォーム姿は見納めですね。以下は新城選手のインタビューからちょっと面白い抜粋です。

-最後にスポプレ読者に自転車を始めたくなるようなコメントをお願いします。
「車を買う代わりに、自転車を買ってみてください。同じような金額で買えるので、必ず自転車にはまると思います」

新城選手の言葉を編集で適当に端折ったらこんな事になっちゃったんでしょうが、これではとてもじゃないけど気軽には始められないような敷居の高さです。そんなことにならないよう、(まあ何の影響力もないでしょうけど)このブログでは特に聞かれない限りは「お金のことは言いっこなし」にして居ます。実の所、趣味としての自転車には良い所が沢山ありますが、お金をかけてもかけなくても楽しめるのもそのうちの一つだと思うからです。

2009年12月1日火曜日

軽量タイヤ「TUFO Elite Jet <160g」

TUFO」のロード用タイヤとしては最軽量の「Elite Jet <160g」です。重量は商品名に違わず160グラム未満です。

うちでは登坂タイヤとしてロープロファイルのカーボンホイールに嵌めて使って居ます。意外と丈夫だし、センター部でゴムを厚盛りしてあるため想像以上に長持ちします。この重量にして十分日常使用に耐えるタイヤだと思います。指定空気圧が10気圧以上(〜15気圧)って言うのがフロアポンプで管理するにはちょっとキツいかも。

これを標準タイヤとして使わないのは、贔屓の「Continental COMPETITION」と比べて実際の軽さで期待してしまう軽快さがないように思えるからです。重量がかなり軽いだけにサイドウォールがとても薄く作られて居て腰砕けがあるのでしょう。相当に高圧で使用しても転がりの悪さは改善されません。長寿命の「Elite 100g」と言う感じ。

TUFO」にはほぼ同重量の「S3 Litte <165g」(写真下)って言うのもありましたが、こちらは一応トラック用と言う事でトレッドが薄くてその分減りが早いためやはり路上走行向けとは言えない感じ。対パンク性も特には考慮されて居ません。その割に重量が嵩んで居るのはバンクを走るために(?)トレッドを広く採ってあるからだと思います。サイドウォールが蛍光イエローで奇麗です。

2009年11月30日月曜日

Continental COMPETITION "Lightweight" タイヤ

上の写真は「Lightweight」ホイールを製造、販売して居る「Carbon Sports」社が販売する「Lightweight」シグネチャーバージョン。残念ながら一般品より特別に軽いって言う事はないですが、トレッド、サイドウォール、ふんどしがオールブラックで精悍な印象。当初は22mmの「COMPETITION」みでしたが、現在では「PODIUM」、19mmモデルと「Continental」社の高性能チューブラー全てが揃って居ます。「Lightweight」ホイールに嵌めると、ホイールとタイヤで同じロゴが縦に並ぶのがちょっと煩いです。

自分はホビーとして自転車に乗って居るので、何かと「決戦用」とか「練習用」とかと言って殆どの時間を占める「ケ」の日に敢えて贔屓のものを使わないなんて言うのはとても勿体無いと思うから、「常時使えるなるべく軽くて良いタイヤ」を求めて色々と試します。

とは言っても、巷の高性能カーボンホイールはその多くが未だにチューブラー専用(うちもチューブラー)なのに、タイヤメーカーの目玉商品は既に軒並みクリンチャーに移行して居るような、両者の最新版を同時には味わえない微妙な現状にあってはそう多くの選択肢がないんですけど…。

辿り着いたのは目新しさが全然ないけど上に挙げた「Continental COMPETITION」。上りオンリーとかでなければこれで全てをこなします。19mm が235g位、22mmが265g位と、「TUFO」のタイヤと比べてかなりの重量級ながら走ってみるとこれが(特に22mmの方が)実に軽快に転がります。グリップも自分にとっては不満なし。さらに調達も容易で標準タイヤとしては申し分ないと思います。持ちがちょっと悪いのと重量はガッカリポイントなのですが、ここはその他の性能と相殺して我慢の出来る所です。タイヤをリムに嵌めるのはもの凄く大変で、1回限りとは言えかなり嫌な作業です。

上の写真は一般に市販されて居る「COMPETITION」。トレッドはグレーでサイドウォールは(色々なバリエーションがありますが、基本は)黒です。「Lightweight」版と比べてソフトな印象で、このモデルなりの趣があります。自分のフレームにはこっちの方がしっくり来るかも。

2009年11月29日日曜日

m2 racer Eagle サドルの改造

今日からいよいよ本格的に寒い季節になって来たようす。

自分のワードローブには真冬用(メーカーサイトによると6℃以下用)のビブショーツしかないので先週位までの陽気だと日中が暑くて辛いために多少寒くても夏用で済ませて来たけど、いよいよ衣替え。

夏用は「s5」パッドでサドル側にパッドは不要ですが、冬用は旧モデル(オレンジ色のパッド)なので長時間乗ると股間の2箇所に痛みが出ます。そこで冬の間だけサドルをパッド付きのものに交換します。ローラー台に乗る度にレーサーパンツを穿く必要もなくなります。

ベースはスペアの「m2 racer Eagle」です。ベースに5mm 厚の発泡ウレタンを貼付けて、ダイアモンドパイソンの皮を(滑り止め効果を狙って逆撫でになるように)貼り付けて居ます。
車体が地味なので色は鮮やかなライムグリーン。

【パッドの貼り付けについて】

パッドにしたい材料をサドル全面に両面テープで貼付けて、はみ出た所を切り落とします。革を貼らないで済ませるなら、5mmから10ミリ位までの発泡ウレタン等がお薦め。ウレタンを一度仮り留めにして、サドルに貼る前に耐水ペーパーで角を均一に撫でて角を落としたり、全体の形を整えたりしてあげると既製品のように奇麗に仕上がります。パッドの上から革を張る場合は、内部のウレタンは切りっぱなしでも大丈夫。

【革の張り付けについて】

サドル面より一回り大きく切った革を用意します。パッドを侵さないボンド(自分はスチのりを使いました)をパッド全面に塗り付けて、半乾きになったら、そこに裏側まで巻き込むようにして革を貼ります。糊が乾くまではサドルの裏側部分で引っ張り合うように縫い合わせ※ておいて(弱粘性のテープでぐるぐる巻きにしても可)、乾いたら仕上げにマチを切り残してサドルの裏側に糊付けして出来上がりです。

薄手で伸び易い革を使えば写真のようにかなり入り組んだ形状でも十分に元の形状に沿ったものが作れます。特別な工具を必要としない簡単な作業ですから落車してサイドを切ってしまったり、革がくたびれて来たお気に入りのサドルの再生にも有効です。

※「裏側で縫い合わせ」方式でやる場合、内装するパッドはサドル面や革に貼り付いて居る必要がないので接着剤や両面テープでの固定が出来ないGelパッドとかソルボセイン等を材料として使うことも可能です。あと、スチのりは乾くと硬くなるのでパッドの上面には塗らない方が良いかも。

2009年11月28日土曜日

ロード用タイヤの空気圧管理

非力な上に体重が軽いせいで、フロアポンプを使ってタイヤにエアを入れるのは毎度毎度骨が折れます。夏場等は出動前の空気入れで汗をかいちゃいます。22mmタイヤに8.5気圧入れる位までは定番の「SILCA」と「HIRAME ポンプヘッド」との組み合わせで頑張って居ましたが、「TUFO Elite 100g」のような10気圧オーバーを求めるタイヤを使う段になった時、この立派なセットをもってしても耐え難い作業になりました。それでも、乗る度にキッチリ測って、減った分は入れ増ししたい。

そこでコンプレッサーを導入しました。日々、「楽をしたい」と思いつつもなかなかにそんな甘いことは見つからない中で、これは本当の意味で「楽」が出来た数少ない機材です。塗装用のものと違ってとにかく高圧に耐えて(1,500KPa位)動いてくれれば品質はどうでも良いので、ホームセンターで売って居る自動車用バッテリーチャージャーに車載用のコンプレッサーを繋いで、そこに「HIRAME」を移植しました。

まさにあっと言う間、全く労せずに空気が入れられます。楽だから頻繁に空気圧を管理するようもなれるので、本当にお薦めです。エアの抜け易いローラー用のタイヤも日々規定最大圧にしてから使おうって気になれます。これを導入以降は人力での充填はやって居ません。

2009年11月27日金曜日

軽量ボルトへの換装

直接の軽量化とはちょっと違いますが以前から不思議に思って居るのがディレーラーの作動幅を決める「リミットスクリュー」。ここだけプラスネジになって居るのですが何かそうすべき理由があるのでしょうか?

レースの中継で、メカニックが走行中の自転車に車を横付けして調整して居るシーンが映されることがありますが、そう言う不安定な状況下でのサービス性からの要求なんでしょうか?でも、そんなことはしないはずのMTBのディレーラーも同じくプラスドライバー仕様なので単にそれだけが理由でもないような…。

自分の用途だと他のネジがほぼヘキサゴンレンチで扱えるのにそこだけドライバー持ち出して整備するって言うのは億劫なので、前後ともヘキサゴン対応に換えてしまって居ます。フロント(上の写真)はアルミ製、リア(下の写真)はアルミだと頭が大き過ぎて入らないのでより丈夫なチタン製の頭をちょっと削って入れました。これで携行ツールも減らせます。

一般にボルトの軽量化とは「鉄」→「チタン」→「アルミ」→(カーボン)と換える事で素材の比重差を利用するものです。1ステップの軽量化だと嬉しさは少ないですが、純正品の鉄ネジがアルミ製に換装出来たりするとかなり得した気になれます。錆びる部品が減って行くと言う所も大いに魅力的です。もう一つ、中空ボルトの採用と言う手があるのですが未だみつかりません。3年前から狙って居たここは本国サイトが消えて居るのでもう潰れてしまって居るかも。

カンパニョーロ・レコード(10S)のフルセットの場合、比較的簡単に純正よりも軽量な物に交換可能なボルト、ワッシャ、アクセル、ほか各種特殊パーツは40個程で、アルミ/チタンの混成でトータル155グラム、オールチタンだと170グラムだとか。(ペダルは別にして、シートポスト用ネジとかハブシャフトをも含んで居るのでやや大きめの数字です。)

このうちフロントディレーラー9パーツのアルミ化では僅かマイナス1〜2グラム。リアはフロントと比べれば大型のパーツの換装になるのでもう少し効果有りとは言え、1箇所での効果はどこも結構小さくて、それでも全部かき集めれば、主にスチールボルトで組まれた純正品のセットと比べて100グラム程度の軽量化が望めるそうです。(自分の場合、端から換えて行ってしまって居るのとカンパニョーロ製部品をあんまり使ってないので正確な所はちょっと不明です。)

2009年11月26日木曜日

Schmolke カーボン製ボルト


Schmolke」の「Carbon Screw」は、他社製のものより仕上げも美しく、M4からM6サイズまで各種ヘッド形状のものが取り揃えられて居ます。長さのバリエーションは少ないですが長さを詰めるのは極めて簡単です。

ところが自転車で多く使われて居るM5(写真右)だと、締め付けトルクが1.5Nmまでしか許容されて居ないため勢い余って沢山入手してみたものの使用出来る箇所が極めて少ないことに気付きました。逆に「付いていればO.K.」みたいな部分にはより軽量なナイロンボルト(左)で十分機能してしまうので、もうちょっと丈夫になってくれないと実用にはまだまだって感じです。

シートポストのハンガー部やステム、ハンドルへの使用は当然N.G.で試してすら居ませんが、いけるかも?と思って試してみたけどダメだったのは、フロントディレーラーハンガーの固定やディレーラーワイヤー、「PowerCordz」の固定です。

通常のボトルケージの固定、プーリーの固定には十分使えます。意外とブレーキシューの固定にも耐えますが、市販のものだとフロントにはアルミすら使って居ないものが多いのでちょっと怖いですね。もっと小さなものがあればディレーラー調整ボルトとかには十分使えそうですが現状そのサイズのものはありません。

ナイロンボルトは、ボトルケージが1個しか要らない場合の穴塞ぎ用とか、BB下のワイヤーリードの固定、サイクルコンピューターやライト等のマウントブラケットの固定に使えます。ボトルケージの固定には耐えられません。

2009年11月25日水曜日

チタン製チェーン色々

自転車用チタン製チェーンは、もう10年以上も前から「Viking」と言うアメリカのメーカー(最近潰れたようです)から上の写真のシマノ8速用が出て居て、これが106リンクで231グラム。ところがこのモデルは横にしならない上に、プレートからリンクピンが飛び出して居たりするものがあるためにディレーラーでの使用は不可能で「トラック専用」と言えるようなものでした。飛び出たリンクピンを1つ1つ削ってみたりもしましたが結局使えるようにはならず、そのまま倉庫行きになってしまいました。

ドイツの「Wippermann」が出した「Connex 10TR」は限定版ながら久々に登場したチタン製のチェーンで、こちらは若干左右のしなりが少ないものの十分に変速機付きの自転車に使えます。106リンクで226グラム、仕上げも大変美しいです。「Viking」もこちらもリンクピンだけはステンレス製です。

最軽量を謳って巷で大人気の「KMC」と言う台湾メーカー製の「X10SL」は「TiN(チタニウムニトロイド)コーティング」の鉄製チェーンで、チタン製ではないですが同リンク数で230グラム。厳密には「Connex 10TR」の方がちょっとだけ軽量なので最軽量ではないのですが鉄製チェーンとしては十分に軽量な上に、シマノの「Dura-Ace」チェーンの製造者って所で安心な印象を与えて居ます。「Connex」より仕上げはやや雑です。

現在では、こちらも台湾の「Yaban」と言うメーカーが出したチタン製と思われるチェーンが106リンクで実測218グラムとのことなので、これが恐らく流通して居るものの中では最軽量でしょう。商品説明には「※含油潤滑性能」が謳われて居ましたが、チタンで含油のものは聞いた事がないので、これが本当ならかなり興味有りです。静粛で寿命も一般のチェーンの2倍とか。但し10スピード限定です。

【Yabanのチタン製(と思われる)チェーンのスペック】
  • 名称:SL210-T(TAITANIUM CHAIN)
  • Dimension:1/2"x11/128"
  • Speed of Sprocket:10
  • Weight:210grams/110L
  • Pin Length:5.9mm
  • Special Material: Self-Lubricating Chain Material
  • Enhanced Durability: Twice as long as a normal chain Noiseless
※含油潤滑:鉄では古くからある技術で、摺動部の金属中に予め潤滑油を含浸してあって、極端に言えば注油等の潤滑を不要とする技術です。

•写真は上から「Viking Titanium」 、「Connex 10TR」、「KMC X10 SL」

2009年11月24日火曜日

Tune Skyline スキュアー、実測17.5グラム


ホイールのクイックレリーズからレバーを省いて軽量化する手法は、古くは「Gonzo(廃業)」、「m2 racer(廃業)」等、いくつかのメーカーが採り入れて居て、その時代なりの超軽量を達成して居ます。多くのモデルでは携帯出来る専用工具で取り付けることで盗難防止効果も高めて居ます。

現在も「ATIK」や「OMNI racer」等の「m2 racer」のコピーモデルや、5mmのヘキサゴンレンチで締め付けの出来る「DELTA」等、多数の商品が流通して居ますが、その中でも一番軽そうなのがこの「Tune Skyline」。前後セットで実測17.5グラムです。

アマチュアにはパンクしてもスペアホイール持って走って来てくれる人が居る訳ではないので「クイック度」はこれで十分なのですが、テコが使えないためにスパナでの締め付けにもの凄い力が要る(割にスパナが貧弱な)ことや、ピタッと定位置に締め込むのに無駄な神経を使う事等、使い勝手は今一つで、ホイールの脱着が億劫になってしまいます。

今は「パワークランク」を回すのに、毎日ローラー台用ホイールと履き替えないとならないため、同じ「Tune」製でホイールメーカーのOE版「AC 14」を使って便利して居ます。こっちは前後で49グラムです。(写真手前。奥に写って居る方は「Skyline」)

2009年11月23日月曜日

m2 racer ボトルケージ、実測7グラム

ボトルケージなんてどうせどれも大差ないから軽ければ軽い程良いと思って居たので、当時それなりに軽量(1個7グラム)だった紙のように薄い「m2 racer」のボトルケージを入手しました。(ネタが古くて済みません。)

他社製でこれより軽量のものはボトルの形状が下に向かってすぼんで居ないとダメとか、見た目が極端にアレだったりとかで、まだ十分に無難なだ線と思ってこれを選んだのですが、正直色々な部分に不備がある製品でした。

一番の問題はキャップボルトで取り付けるとボルトの頭が邪魔してボトルが入らない(!)ことです。一般のボトルケージにある取り付け部のクリアランスを確保するための段差がないのです。シートチューブのディレーラーハンガーの厚み分すら邪魔になる有様。仕方ないのでナイロン製のワッシャーを可能な限り薄く削ったものと、アルミのキャップボルトの頭を削り落としてスパナで締め付け出来るようにしたもので取り付けてあります。(そのせいで出し入れの際にボトルのプリントが削れてしまいます。)工作ついでにボルトを中空にしました。

このデザインにも関わらず意外とボトルが飛び出したと言う事はなく使い勝手も悪くないのですが、兎に角剛性がなくてものを入れて悪路を走ったりダンシングすると左右に揺れるし、潰す方向に強い力をかけると割れてしまいます。いずれ換装するかも。

過去にはナイロンボルトでの取り付けも試した事がありますが水を入れて走ると走行中の振動で千切れるのでお薦め出来ません。

2009年11月22日日曜日

Compex (EMS機器)で筋力増強

Compex」は自主的な運動なしに筋力が増大すると言う、まさに「待ってました」的なトレーニング機器として2006年に導入したEMS「電気的筋肉刺激」のための装置です。

意思の強弱に関わらず脳からの指令による筋肉の出力には限りがありますが、外部からの電気刺激による強制的な筋収縮は(電流を増やせば)容易にそれを超える事が出来る訳で、それをもって自分の意思では絶対に出来ないような高負荷での鍛錬を実現すると言う、これこそサボりたがりの自分のためにあるような機材に思えたのです。

導入前の思惑としては、仕事のメール等を処理したりする間に自転車に使う諸筋肉の増強を図れるはずだったのですが、やってみるとこれが猛烈に痛くて他のことには集中出来ません。せいぜいTVを見るくらいが関の山です。加えて1メニューに30分を要するので、なかなかあそこもここもと言う訳には行きません。

まあでも痛いのさえ我慢すれば心臓も楽ちんのまま、汗もかかずに見た事のないくらいに自分の筋肉が収縮し続けてくれる訳で画期的であることは間違いありません。その効果は覿面で短期間のうちに筋肉が太くなり、筋力が増します。但し、これだけで鍛えた場合、恐らくは通常のトレーニングでは追随して成長するはずの心肺機能やATPの再合成力、乳酸への耐性等が向上しないんじゃないかと心配でもあります。燃費を落としたり持久力が下がったりの弊害があるかも知れません(この懸念が正しいかどうかは知りませんが、それで「POWERbreathe」を導入したって訳です)。

僕のモデルは初期型の「SPORTS」と言う製品ですが、買ってすぐの頃からケーブルの接触不良が余りに頻繁だったので使うのをやめてしまいました。翌年のサイクルモードで販社の方に伺ったところ、「(一見しっかりして居るように見える)本体側のコネクタがすぐに駄目になるから一度差したら抜かないで欲しい」と説明されました。現行モデルは「パフォーマンス」と言うものに変わって居て、ケーブルの型番も違う(方式も見た目も殆ど同じですが)のでひょっとするとコネクタには改善がなされて居るかも?

長らく埃を被って居ましたが久々に発掘したのでケーブルを新調して引き脚用の筋肉強化等で再開しようかな?と思って居ます。
※購入当時の写真です。


2009年11月21日土曜日

世界で1番軽い(?) m2 racer Eagle サドル

恐らく未だに世界最軽量のサドル、「m2 racer」の「 Eagle」は重量僅かに39グラムです。

これに当時最軽量を誇った「Schmolke seat post TLO」(31.6mm径で80グラム、現行モデルとはクランプの方法が違います)を組み合わせて、未だにそれを使って居ます。この手のサドルは良く壊れると言われて居ますが、4年経った今でも現役です。座面は結構硬いんですが、「assos」の水色パッド「S5」を履いて頑張ってクランクを踏み続けて居ればお尻が痛くなる程ではありません。漕ぎ出しから暫くはお尻が滑りますが、ちょっと走ると体からの水分でレーパンが座面にピタッと吸い付くようになって安定します。

ストレート形状のポストだと今以上にはサドルを下げようがないのですが、最近サドルの後端にお尻を乗せて居ることが多くなって来たのでセットバックのあるタイプへの変更を検討中です。候補は、「Ax.2200」ですが重量は今とそんなに変わらないかも。
「Schmolke TLO 」シートポストは最低、最大突き出し長の部分にラインが引いてあってその間は5センチ程度です。一般のアルミポストの様にユーザーの利便性を考えて付けられた印ではなくて、そこ以外は極端に薄いので締め付けに耐えられないのです。導入の際に長目のを買っておいて要らない部分をカットする等の使い方は出来ません。
締め付けトルクはマウンティングペースト利用で3Nm推奨、リミットは5Nmです。

2009年11月20日金曜日

Schmolke TLO ハンドルバー

今のロードレーサーを組み上げた2005年当時、最軽量のハンドルバーは「Schmolke TLO」でした。

それから4年、現在では後発の「ax-lightness」の「 Ax.4000」(本年夏発売)との重量差がプラス5グラム±10グラムと言うポジションになって居ます。運が悪くなければ「Ax.4000」に置き換えるとより軽量化が図れるのですが、いわゆる下ハンに相当する部分を完全に失ってしまうことと、20mm幅広になることから導入にはちょっと躊躇して居ます。

バリエーションについては当時の1タイプ(現在「Ergo-0° TLO」と呼ばれて居るもの)のみから、クランプ径やハンドル形状の異なる5種類が展開されるまでになり、この手の規模のメーカーにしてはもの凄く入れ込んで居るように思えます。

TLO」の重量は400ミリ幅(ここの寸法表記は外/外なので芯/芯だとおよそ380mm相当)で今でこそそんなには凄く思えない実測130グラム、そうは言っても、クランプ部以外は紙のように薄いので、TT用の装備を着ける場合にはそこを補強したものを別注する必要があって、重量は+8グラム、あと、ノーマルの「TLO」は下ハンをダイエットして居るのですが、そこを伸ばしたいなら+7グラムです。

この手の軽量カーボンパーツには大概締め付けトルクが規定されて居ますがこの商品の場合、「ステムに取り付ける際の締め付けトルクはグリスアップしたボルト使用で5.0Nm(以前使って居た「Syntace F99」の場合は3.5Nm以下)、但し、フィッティングペーストを使う場合は3.5Nm、グリスレスのボルトの場合は+1.0Nm、シフターの組み付けはマウンティングペースト使用で4.0Nm」と、過去に色々事故があったんだろうと勘繰りたくなる程にやたらと注文が多くて、このハンドルの導入に合わせて0.1Nm単位でプリセット出来るトルクレンチを新調する必要に迫られました。自分の場合、この間入手した「ax-lightness Zeus」の規定トルクが3.0Nmなのでそこは低い方に合わせます。

Schmolkeのハンドルは「Ax.4000」より柔らかく、しなる(からダメ)と言う事も聞きますが、単体でギュウギュウやったり、硬いステムと合わせた状態で比べると「まあ、確かにそうかもですね」と言える位。逆に柔なステムなら気にならない位の差だと思います。

2009年11月19日木曜日

世界最軽量(?)パワーメーター「MetriGear Vector」

来年第一四半期に発売される予定の「MetriGear」社のペダル内蔵型パワーメーター「Vector」に期待して、更新情報はないかとまめにチェックして居ます。

市場に出れば高精度(日々向上して今や誤差は±1.5%)のパワーメーターとしては恐らく世界最小、最軽量の(50グラム+ヘッドユニット)の製品となるはずです。しかもその重量のほとんどはケースと電池でしょうからまさに驚異的。左右のペダルに加わる25グラムはそれが回転部分の最外周って言う欠点も十分無視出来るレベルと言えるかも。

ペダル軸上の踏力を計算する方式ですから、自動車で言うとこっちが「グロス値表示」で、「PowerTap」は「NET値表示」みたいな感じでしょうか?どっちの計測方法が理想かは別にして、各社の高性能の新型ホイールはどれも完組で出されることが多いのでそれらを自由に選べる「Vector」の方式により多くの支持が集まる気がします。

当初は「SPEEDPLAY」のクロモリアクセルモデルに組み付け、調整された状態で発売されることに決まって居るものの、その他のペダルへの対応やユニットのみの販売については今の所未定だそうです。出力を表示するヘッドユニットはこの会社からは提供されないため、ユーザーが別途ANT+対応のものを用意する必要があります。想定されて居る一番手頃なものだと「Garmin」の「Edge 500」で、「Forerunner 310XT」とかでも可能と言う話。

以下、大まかに伝えられて居る情報です。
  • 左右のペダル軸(中空である必要があります)に1つづつセンサーユニットを挿入、クランクシャフトの歪みを出力に変換して,クランク側の送信機からヘッドユニットに送信する仕組み。各種センサーが内蔵されて居てマグネットなしでケイデンスが取得出来たりする。
  • 本体はこの軽さにも関わらずインジケーター付きの充電式で、最新のヘッドユニットである「Garmin Edge 500」のランタイムですら18時間である事を考えれば必要十分と言える「20時間の連続使用」が可能。
  • ソフトウェアの更新等はANT+準拠のPC用ドングルを介して行う。
  • 出力値は左右を別個に取って居るが、当面はより多くのメーカーのヘッドユニットに適応させるために個別のデータを合算してトータルの出力値として扱う構想で、従ってヘッドユニットにもその値が表示される。近い将来には左右個別のデータがモニター出来るようになるはず。(今も日々進歩して居るので発売までに対応出来ちゃうかも?)
  • オプションとしてユニット1個(マイナス25g)のみで取得データを2倍するみたいな使い方も可能らしい。但し同じ計算方式の「ERGOMO」がそれで良い結果を出せなかったので敢えて2個使いを標準とした経緯があるので推奨はしないとのこと。
  • 奇しくも左右のペダルに1個ずつのセンサーを取り付けて使用する仕様になったため「PowerCranks」を使っても正しい出力が取り出せるはずで、自分にとっては実に魅力的。

ペダル内蔵型と言う事でペダルシャフトが中空構造であることと、裏からのヘキサゴンレンチでの組み付け機能を潰しても表側からペダルの脱着が可能な事が必須と聞いて、自分の「ORB」に棒を突っ込んでみましたがちょっと深さが足りなさそう…。将来、ユニットのみ販売になっても搭載は無理っぽくてちょっとだけ残念。

※追記

  • SPEEDPLAY Nanogram Zero」のチタン製シャフトは裏からヘキサゴンレンチで取り付ける方式のため不採用。
  • AeroLite」には中空部のサイズ次第で組み込み可能だが希望するユーザーが少な過ぎっぽいので完成品販売としての採用予定なし。